2022年6月3日         東京都・新宿区

第2回カツベン映画祭



名 称:

第2回カツベン映画祭(新宿東口映画祭提携企画)

日 時:

2022年6月3日(金)午前10時開演~


会 場:

武蔵野館 〒160-0022 東京都新宿区新宿3-27-10 武蔵野ビル3F


入場料:

全席指定 1プログラム 2,000円


販売方法:

5月20日正午より武蔵野館及び武蔵野館チケットサイトにて販売
※ 先行販売席数限定 通し券6,000円は、マツダ映画社にて取り扱いあり。


協 賛:

武蔵野興業株式会社


協 力:

国立映画アーカイブ


主 催:

株式会社マツダ映画社・カツベン映画祭実行委員会
〒120-0003 東京都足立区東和3-18-4

【上映スケジュール/全6プログラム】


【上映作品紹介】

肉体と悪魔 Flesh and the Devil 

1927年 米 MGM作品 93分
監督/クラレンス・ブラウン 出演/ジョン・ギルバート、グレタ・ガルボ

昭和4年3月7日新宿武蔵野館封切作品
「神聖ガルボ帝国」ガルボの人気を決定づけた作品。

レオとウルリッヒは親友同士だが気質は正反対。知性的なウルリッヒに比しレオは直情型であった。 レオは、若く美しい伯爵の妻フェリシタスと情を交わし、これを知った伯爵はレオに決闘を挑み、命を落とす。 レオは罪悪感からオーストリアを離れアフリカへ向かう。こうした事情を知らぬウルリッヒは、未亡人となったフェリシタスと結婚。数年後…

弁士: 澤登 翠
演奏:カラード・モノトーン・デュオ 湯浅ジョウイチ 鈴木真紀子
天保泥絵草紙 

1928(昭和3)年 帝国キネマ作品 59分
監督/山下秀一 出演/明石緑郎、阪東豊昇、松枝鶴子
作品提供:国立映画アーカイブ

関西に拠点を置き、大衆に絶大な人気を誇った帝国キネマの看板スター明石緑郎主演の講談や歌舞伎でお馴染みの「天保六花撰」より材をとった時代劇。

直次郎と恋仲の三千歳花魁を金ずくで身請けしようとする御大尽、金子市之丞は実は大盗人で、さらに三千歳の実の兄―三者の関係に河内山宗俊がからんで…

弁士: 坂本 頼光
演奏: 宮澤やすみ
何が彼女をそうさせたか 

1930(昭和5)年 帝国キネマ長瀬撮影所作品 78分
監督・脚本/鈴木重吉 出演/高津慶子、藤間林太郎、小島洋々
作品提供・協力:サカエマチ中央ビル、おもちゃ映画ミュージアム(太田米男)

公開当時に流行し、社会主義思想の影響を受けた「傾向映画」の代表作としても知られる。映画は大ヒットし、浅草では異例の5週間続映という記録を作った。1930年度のキネマ旬報ベストテン第1位

14歳の中村すみ子は生活苦から親が自殺して孤児となる。叔父を頼っていくが逆に曲馬団(サーカス)に売られてしまう。つらい日々の中、青年新太郎に恋心を抱くものの、団長の小川の虐待に耐え切れずに曲馬団を脱走する。その後琵琶法師長谷川旭光の女中、詐欺師の子分、議員秋山の女中と職を転転として辛酸を舐める。ようようにして再会した新太郎と結ばれるが…

弁士: 大森 くみこ
演奏: 鳥飼りょう
生れてはみたけれど 

1932(昭和7)年 松竹蒲田撮影所作品 82分
監督/小津安二郎
出演/斎藤達雄、吉川満子、菅原秀雄、突貫小僧

「子供達が初めて出会った現実的な大人の世界」を小津安二郎監督が見事に描いたサイレント期の代表作であり、<小市民映画>の最高傑作。
1932年度のキネマ旬報ベストテン第1位

郊外に念願のマイホームを建てた会社員の吉井さん一家。今までガキ大将だった長男の良一と弟の啓二は、転校した学校の悪童亀吉やその仲間たちと喧嘩したり威張りあったりするうち、いつしか家来が出来て、また大将の座を勝ちとり、お父さんの会社の重役の息子太郎も家来にしたのだが…

弾き語り弁士: 山崎 バニラ
狂った一頁 

1926(大正15)年 新感覚派映画聯盟=ナショナルアートフィルム社作品
監督・脚本/衣笠貞之助 原作・脚本/川端康成
出演/井上正夫、中川芳江、飯島綾子、根本弘 79分

(染色版) 国立映画アーカイブ所蔵作品
大正15年9月24日新宿武蔵野館封切作品
衣笠貞之助が川端康成な『文芸時代』の同人に協力を仰いで製作した日本初の無字幕アバンギャルド映画。
武蔵野館では徳川夢声の解説で封切られた大評判となった作品。

元船員の老いた男は、自分の虐待のせいで精神に異常をきたした妻を見守るために、妻が入院している精神病院に小間使いとして働いている。ある日、男の娘が結婚の報告を母にするため病院を訪れ、父親が小間使いをしていることを知る。娘は自分の母が狂人であることを恋人に悟られないよう懸念している。娘の結婚を知った男は…

弁士: 片岡 一郎
演奏: 上屋安由美
キートンの鍛冶屋 The Blacksmith 

1922年 米・キートンプロ作品 19分
監督・脚本/バスター・キートン、マル・セント・クレア
出演/バスター・キートン、ヴァージニア・フォックス

キートンの短編時代の中核をなす作品で、キートンの師であるアーバックル・コメディのスタイルを色濃くもっているといわれる。

田舎の鍛冶屋の助手バスター。親方が保安官に反抗して連行されてしまい、留守を預かることになる。バスターは車の修理でオイルまみれ、そこへ白馬の淑女が現れて…

弁士: 山城 秀之
演奏: 坂本真理
漕艇王 

1927(昭和2)年 日活大将軍新劇部作品 23分
監督/内田吐夢
出演/広瀬恒美、夏川静江、神戸光

近年海外でも再評価の機運が高まっている名匠内田吐夢が監督した青春スポーツ映画。

名整調手として高校時代活躍した望月は、A、L両大学からスカウトされるが、親友の林と共にあっさりと昨年の対抗競技に敗れたA大学漕艇部への入部を決めた。対抗競技のある毎にその機密を探っては相手方に売って生活をしている銀座の紳士等がいた、ふとした事から彼らを懲らしめた望月は、学長富ノ沢やその姪美津子の信望を得ることになったが、執拗な彼らは…

弁士: 山内菜々子
演奏: 坂本真理
虚栄は地獄 

1925(大正14)年 アサヒピクチャー作品 15分
監督/内田吐夢
出演/龍田静江、長谷川清

内田吐夢監督、最初期の監督作品。新聞の三面記事に着想を得た洒落たタッチの短編喜劇。

甘い新婚生活を送る春夫と夏子。春夫の職業は靴磨き屋だが、自分は“大会社のエリート社員”だと妻に嘘をついていた。それは、夏子が社長秘書というキャリアウーマンの魅力ある妻だったからである。ところが、或る日、晴夫がいつものように街で靴磨きをしていると、夏子が通りかかってしまった。意気消沈した春夫は…

弁士: 尾田 直彪
演奏: 坂本真理

【弁士紹介】

澤登 翠(さわと みどり) 

法政大学文学部哲学科卒業。故松田春翠門下。
日本独特の話芸「活弁」の第一人者として、国内を始め仏、伊、米他海外にも招聘され好評を博している。洋画、現代劇、時代劇とレパートリーも豊富。活弁の継承者としての活動が評価され、これまでに文化庁芸術祭優秀賞、文化庁映画賞他を受賞。無声映画鑑賞会での公演を基盤に国立映画アーカイブや各地の映画祭での公演、大学他での講座、TV番組のナレーション、朗読とその活動は多岐に亘る。2015年、「文藝春秋」に掲載の「日本を代表する女性120人」に選出、2017年3月には松尾芸能賞特別賞を受賞。周防正行監督最新作映画『カツベン!』では、活動弁士監修を担当した。本年、弁士デビュー50周年を迎える。
坂本 頼光(さかもと らいこう) 

中学時代より活動写真弁士を志す。2000年に、「鞍馬天狗」でデビュー後、映画館、寺社仏閣、寄席等様々な場所に多数出演。これまでに説明した作品は約120本。2010年にはアメリカのエール大学他五大学で無声映画公演、2012年にはフランスの映画保存機関シネマテーク・フランセーズの上映会、昨年はパリで開催された「ジャポニスム2018:響きあう魂」の公式企画「日本映画の100年」など海外でも弁士を務め好評を博した。 平成28年度国立演芸場・花形演芸大賞の銀賞、平成30年度同賞の金賞を受賞。周防正行監督の最新作『カツベン!』では出演のほか主演の成田凌、永瀬正敏の弁士指導を担当した。
大森 くみこ(おおもり くみこ) 

関西を活動拠点に無声映画上映会、国内外の映画祭等に出演。招聘された映画祭は台北映画祭、韓国インディアニフェスト、京都国際映画祭、京都ヒストリカ国際映画祭など多数。2019年にはロサンゼルスで行われた「The Art of the Benshi」に出演し好評を博す。 天満天神繁昌亭昼席に色物で定期出演、OSシネマズ神戸ハーバーランドでは定期活弁ライブを開催。TV・ラジオパーソナリティー、ナレーターとしても活躍。ラジオ関西『羽川英樹ハッスル!!』ラジオ大阪『Hit&Hit水曜日』にレギュラー出演、おじさんから可憐な少女まで幅広いキャラクターづくりが持ち味。日本女子体育大学出身の力持ち。
山崎 バニラ(やまざき ばにら) 

活弁士(活動写真弁士)。2001年、無声映画シアターレストラン「東京キネマ倶楽部」座付き弁士としてデビュー。独特の声で大正琴とピアノを弾き語る独自の芸風を確立。2018年~東京国際映画祭ユース部門で活弁を披露。2019年公開、周防正行監督『カツベン!』に出演。声優としてもアニメ『ドラえもん』ジャイ子役、Eテレ『天才てれびくんhello,』ひらり役他出演作多数。清泉女子大学のスペイン語学科卒業の経験を生かし、2021年度上半期NHKラジオ『まいにちスペイン語』でコーナーを担当。 宮城県白石市観光大使。著書に『活弁士、山崎バニラ』。
片岡 一郎(かたおか いちろう) 

1977年生まれ。東京都出身。活動弁士の第一人者澤登翠の一番弟子として、2002年に入門。2016年には活動弁士として戦後初の歌舞伎座出演を果たした他、国外での活動も多く、これまで18ヵ国で公演を行っている。2018年にはフィリピン初の活動弁士誕生を支援。失われた無声映画のフィルム発掘にも尽力している。活動弁士の他にも執筆や舞台出演、声優業と多岐にわたって活躍中。これまで活動弁士を担当した無声映画は約350本。周防正行監督の『カツベン!』では出演のほか時代考証や高良健吾、森田甘路の弁士指導を担当。 昨年、初の著書「活動写真弁史: 映画に魂を吹き込む人びと」(共和国)を出版した。
山城 秀之(やましろ ひでゆき) 

山口県出身。2009年、活動写真弁士のワークショップがきっかけで弁士の道を志し、翌年澤登翠に入門。2011年に新米弁士としてデビュー。無声映画鑑賞会のほか、2017年初の海外公演(イギリス、アイルランド)、野外上映会などに出演。下北沢で自主企画の上映会開催中。
山内 菜々子(やまうち ななこ) 

栃木県那須塩原市出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。2010年澤登翠一門に入門。2013年6月「第659回無声映画鑑賞会」で弁士デビュー。以降、無声映画鑑賞会に定期的に出演するほか2017年には地元栃木県「那須温泉映画祭」にも出演。2021年4月~2022年2月まで集英社少女漫画アプリ「マンガMee」にて連載された『RAY-麗-大正キネマ物語』(作:ナスノマユカ)の監修協力を務めた。
尾田 直彪(おだ たかとら) 

2000年、熊本県生まれ。東京学芸大学教育学部卒。卒業論文の研究テーマはATGの青春映画。大学在学中より学生演劇で役者・演出として活動。第1回カツベン映画祭『瀧の白糸』の鑑賞をきっかけに、その魅力的な話芸にひかれ活弁の世界へ。現在、無声映画鑑賞会に出演しつつ「最も若い活動弁士」として目下勉強中。

【演奏者紹介】

カラード・モノトーン・デュオ

湯浅ジョウイチ(ゆあさ じょういち)
(作曲・編曲、ギター)
 

1987年、東京国際映画祭でグリフィス監督の「國民の創生」の楽士を務めて以来、無声映画期音楽の復元・作/編曲を行い、後に和洋楽団カラード・モノトーンを結成。 当時の再現演奏ができる唯一の楽士。日仏連携イベント「ジャポニスム2018」をはじめ欧米への招聘も受け精力的に活動している。

鈴木真紀子(すずき まきこ)
(フルート)
 

桐朋学園大学音楽学部卒業。フルートを峰岸壮一氏に師事。卒業後、無声映画専門和洋楽団カラード・モノトーンのメンバーとして活動。 「ジャポニスム2018」では、パリを始め四都市での公演を大成功に収め、帰国後、楽長の湯浅氏と共に総理官邸での感謝の集いに招聘。
上屋安由美(かみや あゆみ)
(作曲、ピアノ)
 

愛知県名古屋市出身。桐朋学園大学音楽学部作曲専攻卒業、同大学研究科修了。同大学音楽学部付属子供のための音楽教室ソルフェージュ講師。これまでポルデノーネ無声映画祭、東京国際映画祭等に出演。ピアノを故・松岡晴子、三輪郁、作曲を三瀬和朗、大家百子の各氏に師事。
宮澤やすみ(みやざわ やすみ)
(三味線)
 

東京・神楽坂で小唄の指導をしながら、三味線弾き唄いの演奏活動をする。2010年から無声映画伴奏に携わり、東京国際映画祭やイタリア・ポルデノーネ無声映画祭など出演。小唄扇派師範。長唄三味線を杵屋巳太郎師に師事。昭和初期の流行歌再現プロジェクトやロックバンドにも参加。2021年ソロアルバム『SHAMISEN DYSTOPIA』をリリース。
鳥飼りょう(とりかい りょう)
(ピアノ)
 

サイレント映画の楽士。ピアノ、パーカッションを演奏。 全ジャンルの映画に即興で伴奏をつけ、これまでに伴奏した作品数は500以上。映画に寄り添うその演奏は好評を博し、国内外の映画祭や劇場等での伴奏上映に多数出演。2018年、神戸発掘映画祭でフィルムアルヒーフ・オーストリア(オーストリア国立アーカイブ)が修復した『オーラックの手』デジタル復元最新版のワールド・プレミア上映で伴奏を担当。2021年、ピアノを常設する映画館を巡る全国ツアー「ピアノ×キネマ」を開催。現在、最も上映会で演奏する楽士のうちの一人として関西を中心に活動している。無声映画振興会代表。
坂本真理(さかもと まり)
(ピアノ)
 

付属音楽高校普通科を経て国立音楽大学教育音楽学科リトミック専攻卒業。むらさき幼稚園園長を経て、2016年に「むらさきmusicラボ」設立、同年より無声映画楽士、楽器づくり講座、リトミック保育者研修などの活動を行う。 パーカッショニストとして、民族音楽、古楽器などの演奏活動も行っている。



[お問い合わせ]    株式会社マツダ映画社   ℡:03-3605-9981 
Mail:katsuben@matsudafilm.com