MATSUDA: Nen-Pyo (Japanese)
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続水戸黄門

 

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(解説)
昭和三年春の新旧合同総出演による超特作である。当時の日活では、春秋年二回このような大作を製作しており、題目を募集したところ圧倒的に『水戸黄門』を推す声が強く、大正十五年秋の大作として池田富保が監督し、ベストテンの第九位に入選した『水戸黄門』の続編となった。丁度この年は水戸光圀生誕三百年にあたり、当時の広告にはその記念映画と銘打っている。

全編を三つの物語で構成しているが、現在保存されているフィルムには、残念ながら、大河内傳次郎が海賊船の頭目龍門傳蔵に扮した二番目の挿話が丸々抜けている。

池田富保は、牧野省三が去った後の日活時代劇部を支えた監督であり、尾上松之助一〇〇〇本記念映画『荒木又右衛門』(二十五年)や『尊王攘夷』(二十七年)等、娯楽時代劇の傑作を数多く手掛けている。

(略筋)
旅から旅へ、人生の泥をすくい濁れる浮世を浄め行く民情視察の水戸老公。助さん格さんを供に次なるは、四国高松の城下へ。茶店でフト耳にした馬子の話は、松平讃岐守の暴政であった。実は讃岐守は、水戸老公の亡兄の跡目相続のため養子に遣わした老公の実子だったのである。我子が人に謗られ無慈悲我が侭横暴三昧と知った老公は、いたたまれず、自ら役人に縛られ、讃岐守の前に出て我子を悟すのであった。心から改心した讃岐守を優しく見守り、また、新たな旅に出る老公一行。

湊川の古戦場に来ると、子供達が荒れ果てた楠政成公の石碑に戯れるのを見て老公は、何とも嘆かわしく胸を痛めた。やがて老公は、「嗚呼忠臣楠子之墓」と刻した碑を建立し、永劫に暗示と光明を与えたのである。忠孝仁義を踏みしめた老公一行の旅はまだまだ続く。


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