MATSUDA: Nen-Pyo (Japanese)
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雷 電

 

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キャスト

(解説)
マキノ省三監督の遺作であり、マキノ正博が役者として出演した最後の作品。日活からマキノに移った根岸東一郎の入社第一回主演作でもあり、涙の喜劇と銘打って製作された純マキノ式喜劇といわれる。

主人公の雷電為右衛門は寛政・文化の時代にかけて勝率九割六分を誇った実在する強豪力士であり、雷電を題材にした映画には大正八年の尾上松之助主演作や、昭和三十四年に宇津井健主演で製作された中川信夫監督作品がある。根岸東一郎は喜劇味を狙わずに真面目に演じて関取らしい貫禄をみせ、マキノ正博が唯一の喜劇映画出演作とは思えない程の見事な演技で、観衆の笑いを誘っている。

五巻物であるが製作期間はわずか四日間、相撲場に居並ぶ殿様達はマキノ俳優総出演で、女優までが殿様に扮して並んでいる。

(略筋)
一日一番だけの角力を諸大名召抱えの力士によって行なう将軍家御上覧角力が初めて催された。有馬侯御抱えの力士、雷電為右衛門は無敵の強さで勝ち続け、九日目には強豪谷風梶之助と対戦したが、またしても勝ち名乗りを上げた。然し、勝利の裏には反感がある。諸侯、老中はじめ市中の人々まで雷電を快く思わなくなってきた。母は居たたまれず、死を決して負けてくれと頼むのだった。思案にくれる雷電だが、その頃、有馬侯とは犬猿の仲の佐竹侯が、雷電を倒す相手は我が藩より必ず出すと云ったものの中々見つからない。そこで偶然目に止まったのが、町医者の藪井竹庵である。医者は総髪なので、にわか力士に仕立てて、雷電と勝負させようという苦肉の策だったのだが―。いよいよ雷電と竹庵との取組が、御上覧角力として、軍配が返った―。


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