MATSUDA: Nen-Pyo (Japanese) [A clip from


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御誂治郎吉格子

 

出演


解説
昭和51年2月の第211回例会で新発掘初公開した。多くの作品を手がけた伊藤大輔監督であるが、ほぼ完全な形で現存する唯一のサイレント作品であり、名トリオと云われた撮影唐沢弘光、主演大河内傳次郎との作品も他に残されていない。日本映画史上においても大変貴重な作品である。

松田春翠にとっても思い出深い作品であり、鼠小僧と二人の女との細やかな情感がしみじみと描写され味わい深く、好きな作品のひとつであった。しかしそれだけに江戸ッ子治郎吉と浪花女お仙との情のからみを表現するのに、江戸弁と関西弁でほんとに弁士泣かせだと研究に余念がなかった。

略筋
江戸を追われた治郎吉は、上方へとその身を移した。大阪へ向かう船の中で治郎吉はお仙という女と知り合った。追われる男と薄幸の女とがしだいに引かれ合って行く。殊にお仙にとってはこの男がどんな兇状持ちであろうとそれはどうでもよい事で、恋の炎は燃えるのだった。お仙の兄仁吉は、お仙の身を奈落の底に落とし込み、さらに美貌の娘お喜乃にも目をつけた。治郎吉はお喜乃親子の今の苦境が、自分の江戸での悪事が原因と知り良心の苛責に苦しむのであった。遂に仁吉が最後の手段をとって、お喜乃の父を殺害し甘言で彼女を誘ったが、間一髪治郎吉に救われた。治郎吉は御用提灯に追われながらも仁吉と結着をつけるべく乗り込む。と、そこにはお仙が捕えられていた。しかし恋しい男の為と河へ身を投げ危急を救うお仙に涙して逃れる治郎吉だった。

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