MATSUDA: Nen-Pyo (Japanese)
ENGLISH | JAPANESE

野情(銀蛇)


 

スタッフ
キャスト

(解説)
『雲井龍雄』に次ぐ後藤秋聲の監督作品で、縮刷版ではあるが、團徳麿と原駒子の共演作品としては唯一保存されている貴重な一篇である。当時の原駒子は東亜キネマの看板女優で、日活の酒井米子、マキノの鈴木澄子と並び、ヴァンプ女優として人気絶頂にあった。また、團徳麿は、メイクアップと変装の名人といわれたハリウッドの名優ロン・チャニーを模倣し、凝った扮装で異色の怪優として人気を博していた。当時の東亜キネマはスター四部制を採用しており、第一部が原駒子と阪東太郎、第二部が光岡竜三郎、第三部が雲井竜之介、そして團徳麿が第四部であったが、團だけは他の部へも随時応援出演することになっていた。

人生の暗黒面を漂う男女の変転を描いた作品で、当時のキネマ旬報には「俳優の熱演、監督者の努力に依って、堂々トリとなり得る映画」とある。

(略筋)
無頼の浪人三鬼平九郎は、数々の悪事を重ね国を追われる身となった。彼の情婦乙姫お新は、そんな悪の稼業に嫌気がさし、次第に平九郎に対し冷たくなって行った。平九郎にもお新の気持ちが判らないでもなく、この侭では不憫にさえ思っていた。二人がある宿場に入った時、役人に追われたお新は、町家の伜伊三郎の家に身を隠したが、平九郎はお新の幸福を願いその場を立ち去った。然し伊三郎は決っして律義者ではなく、お新と好い仲になると遂にはお新に悪事を強いるのだった。或る時、役人に追われる伊三郎とお新の姿を見た平九郎は、その罪を自分で背負った。役人に曳かれ行く平九郎に対して冷淡な態度の伊三郎。お新は初めて平九郎の本心を知り、役人に真犯人を告げると、平九郎と共に今迄の罪の裁きを願い出て、真実の道へと戻るのだった。


HOME
[Matsuda company logo]