松之助の忠臣蔵
1910年〜1917年頃 横田商会作品他編集作品
弁士: 生駒雷遊、国井紫香、加藤柳美、泉 天嶺、竹本嘯虎、谷 天郎、他
(説明サウンド版)
浪曲口演: 巴うの子スタッフ
原作: 竹田出雲
キャスト
製作・監督: 牧野省三
大石内蔵之助、浅野内匠頭、清水一角・・・尾上松之助
吉良上野之介・・・片岡市之正
立花左近、寺坂吉右衛門、和久半太夫、片岡源五右衛門・・・嵐 橘楽
脇坂淡路守、村上喜剣、そばや親爺・・・大谷鬼若
大石主税、そばや・伜、小林平八郎・・・片岡市太郎
浮橋 太夫・・・大友友三郎
大石の妻・お陸・・・水谷 芳夫
その他の出演者(役名不明)・・・片岡松燕、片岡蝶十郎、片岡長正、中村仙之助、中村扇太郎、市川寿美之丞、市川芝喜蔵(辻吉朗)、嵐班三郎、嵐冠三郎、嵐 璃珀、実川延一郎、尾上卯多五郎、尾上松三郎(池田富保)、尾上多摩之丞他、松之助一党総出演
松之助主演の忠臣蔵物は、同じ十年の『大石内蔵之助一代記』が最初だと言われているが、本作品は、十月に横田商会京都撮影所を二条城西南に設立した記念作品として製作されたもので、初めての忠臣蔵全通し作品である。
松之助が一人で何役も演じ、カメラは据えっぱなし、背景は書割りと、確かに幼稚といえば幼稚であるが、それが又、最新の撮影技法に慣らされた目には、何とも形容し難い程に新鮮に感じられるから不思議である。
後に監督として活躍する池田富保、辻吉朗が出演しているのも興味深いし、往年の名弁士の語りを聴くことが出来るのも貴重である。