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モンブランの嵐
Sturme Uber dem Montblanc

スタッフ

キャスト


(解説)
『聖山』(二十六年)、『銀界征服』(二十八年)といった山を題材とした作品を数多く手掛けて“山岳映画の巨匠”と呼ばれ、三十七年には日独合作映画『新しき土』で伊丹万作と共同監督を務めたアーノルド・ファンクの代表作の一つ。本来は全十巻のトーキー映画であるが、今回は復元作業が完了した無声縮刷版の初上映である。

本作品の見所は撮影技術の素晴らしさで、季節と天候に因って様様な偉容を現わすヨーロッパアルプスの自然を、カメラが美しく、そして精密に捉えている。

ヒロインのヘラ役で健康的な魅力を発揮したレニ・リーフェンシュタールは、画家、そして舞踊家として活躍していたところをファンク監督に認められてスクリーン・デビューを果たし、ファンク映画に出演しながら彼の監督術を学び、やがて自ら監督となって、三十八年にはベルリン・オリンピック大会の記録映画として高い評価を得た『民族の祭典』と『美の祭典』の二部作を完成している。

(略筋)
アルプスの名山モンブランの山頂近くにある気象観測所。ここに若い科学者ハンネスがいた。山麓にある立派な天文台には博士と娘のヘラが住んでいた。観測所を訪れたヘラは、ハンネスに心惹かれた。博士と再びここを訪れた時、博士が絶壁から転落死してしまった。思わぬ事故に泣き暮らすヘラだったが、或る日ハンネスの親友ワルターを訪ねてみると、彼は病気だった。親切に看護するヘラをみて、ワルターは自分の事を愛しているものと早合点し、その悦びをハンネスに知らせた。ヘラへの思いを断ち山頂に停まる決心をしたハンネスが、或る日嵐に見舞われた。天文台にSOSが届く。救助隊も行く手を阻まれ、ヘラが空からの救援を求めると、凄絶なモンブランの大雷鳴と闘って、やっと救助へ。そこには、静かに再会を喜ぶ二人の姿があった。


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